パティシエになりたい人必見!仕事内容・給料など徹底解説します

こんにちは。
私はパティシエとして、4年半現場で働きました。

専門学校を卒業し、ホテルのパティシエとしてを1年、個人店で3年半働いています。

この記事ではパティシエのなり方、仕事内容、給与体系などを詳しく解説していますね。
これからなりたい方、興味がある方、悩んでいる方。

本記事では現場目線でパティシエの現実を書いています。

そのため必ず参考になると思いますので、どうぞお付き合いください!

パティシエのなり方を大きく分けて2つ

パティシエになる方法は大きく分けて2つあります。

1.専門学校に通う

2.個人店に直接応募する

こちらは会社員から転職してパティシエなりたい方、現在学生でこれからなりたい方、どちらも同じですね。

上記2つについて解説していきます。

専門学校に通う場合

有名所では東京製菓学校、辻調グループなどがあります。ほかには服部栄養専門学校なんかも有名ですね。

主に1年制、2年制とあり、社会人なら社会人コースを設けているところも多いです。

入試に関しては主に書類選考と面談であり、入学自体の難易度は低いです。

入試にあたり、お菓子のことを勉強しなきゃいけないということはありません。

私のパティシエ仲間でも、お菓子の事をほとんど知らずに入ってきた人はかなり多かったですからね。

授業内容

授業内容は実習中心で、座学では栄養学、フランス語などを学びます。

実習

実習はショートケーキ、モンブラン、マカロンなど様々なお菓子を製造します。これはとても楽しいですね。

実習で作ったケーキは家に持ち帰れるので、これも嬉しいポイントです!

栄養学

材料の効果(砂糖なら防腐効果がある)などを勉強します。

ただ現場に出たら栄養学はあまり役には立ちませんね。ここで栄養学に興味を持ち、栄養士の資格を取る人もいたので、そうゆう部分では意味があるかも。

フランス語

フランス語の会話や材料の単語を覚えます。

留学したいなら別ですが、会話など現場で使いません。

ただ、材料の単語、スペルを覚えておくのは大事です。

実際現場に出たら、ケーキのルセット(レシピ)って日本語で書いてないんですよ。全てフランス語表記です。

ここで材料の単語だけでも覚えておくと後々ラクができます!

わからない単語をいちいち先輩やシェフに聞くのは結構気まずいです。。。

フランス語の授業は材料の単語を覚えるだけの授業と思ってもいいくらい。

専門学校に通うメリット

同じ志を持つ仲間と切磋琢磨できます。実習で共同作業をするので、すぐに仲良くなれますよ。

卒業後も関係が続くので、一生の友達にもなれます。

就職が有利

専門学校に求人を出す店が多いので、色々なお店を検討できます。お店の見学もできる場合もありますし、シェフと話す機会を頂けたりもします。

いきなりホテルに就職可能

有名どころのオークラやウェスティンホテル、帝国ホテルなどへ就職のチャンスがあります。

専門学校に通わなければ、中途採用以外ではホテルは中々入れません。というかほぼ絶望的です。

ただし、ホテル業界は超人気なので就職難易度が高く倍率がメチャメチャ高いです。

そのため95%以上の人は個人店に入ることになります。

専門学校に通うデメリット

学費が高い

材料代なども含まれるため、1年で200万以上は取られます。これで2年制に通うとなると、お金の工面は大変かもしれません。

就職後、専門学校で学んだ事はほぼ役に立たない

現場に出れば、残念なことに学校で学んだことはほぼ役に立たないと実感すると思います。

実習で様々なケーキを作りますが、違う作り方のケーキを一度しか作らないのでまず覚えられないんですね。

しかも店によって作り方も違うので、学校のやり方は通用しません。

技術面に関しても、現場レベルから見て新卒の専門学生の技術力はほぼないのと同じです。

どうにかするには、学校以外で予習するなり相当努力しないといけません。

でもですね、私はそれで問題ないと思ってます。技術に関しては仕方ないし、現場側もわかってます。

これは普通なことなので、それほど気にすることでもないかな。

1年制でも2年制も同じような感じなので、私は専門学校は1年制をオススメしたいです。

個人店に直接応募する場合

こちらのルートの場合、自分で求人を見つけ出し、見つけたお菓子屋さんに直接応募します。

私が働いてたお店でもよく応募が来たので、珍しいことではありません。

印象的には学生より、社会人で転職したい方が多かった印象です。もちろん学生も応募来ますけどね。

直接応募のメリット

1番のメリットは、技術力が上がるスピード専門学生よりも早い点です。

実際に現場に出るのが最も早く技術力が上がりますね。

もし専門学校で2年制に行った場合と、現場で2年働いた場合。

現場2年の方が圧倒的に技術力が高いです。

直接応募のデメリット

就職先が狭まります。

専門学校では、お店の求人がたくさん来るので色々選べますが、こちらではそうは行きません。

有名店に入るのも難しく、ほとんどの場合こじんまりとした地域密着型のお店に落ち着くでしょう。

またホテルへ就職したい場合は、いきなりはまず無理です。

ただし遠回りすれば全然可能。現場で経験をつんで中途採用を狙うルートです。

その時応募があるかどうかも運次第ですが、かなり現実的なルートとなります。

私のお友達も個人店からリッツカールトン、ウェスティンホテルなど有名ホテルへ中途採用された方がいますので、全然いけますよ。

ホテル就職を狙いたい方へのおすすめルート

直接応募を選ぶ方へオススメしたいのは、小さい店で3年ほど経験をつみ転職。

転職先はできるだけ有名店を選びます。技術がついてるので、有名店でも中途採用もらえます。

ここで有名店の技術を吸収し、◯◯店にいた。という泊もつけ、そこから有名ホテルへの中途採用の道を目指す!
です。

とにかく早く一人前のパティシエになりたければ、こちらのルートをオススメします。

結論:若い学生なら専門学校を推したい。社会人なら直接現場へ

ここまで見ると専門学校の良さが薄く見えると思います。

実際技術を最速で学ぶなら、専門学校は行かず直接現場に入ったほうが絶対早いです。

社会人でパティシエに転職したいなら、すぐに現場入りしちゃうのがオススメですね!

後述してますが、現場に入ってもすぐにお菓子は作らせてもらえません。

そのため社会人向けの専門学校は時間とお金がちょっともったいないかな、と思います。

 

しかし若い学生なら別です。

費用は高額ですが、問題なければ専門学校を推したい!

専門学校に行けばたくさんの仲間と出会えます。好きなことが一致している仲間と過ごす時間は、今後の人生においてもかけがえのない時間になります。

パティシエの労働環境は過酷です。そんな過酷な環境にすぐには行ってほしくありません。

10代ならなおさら。やっぱり楽しんで欲しいと思ってしまうんです。

感情論になってしまいますが、それでも私は専門学校を推したい!

悩む方は、この後詳しい仕事内容も書いてありますので、そちらを見て参考にして見てください。

 

【個人店の場合】仕事内容と給与面について

飲食系の宿命なのか、お菓子屋さんはとても過酷なお仕事です。

ここではお菓子屋さんの現実を解説しています。

個人店の始めは販売員からスタート

専門学校卒、直接応募で入ってきた人、どちらも基本は販売からスタートします。

入りたてでは厨房にすら入れてくれず、お菓子作りをさせてもらえません。

店によってはいきなり厨房に入れることもありますが、だいたいは販売員スタートですね。

販売を3ヶ月ほど(長いと半年~1年)やらされ、ようやく厨房へ。。。

ここからパティシエ生活がスタートします。

パティシエの1日

6:00~6:30 出勤
6:30~8:00 朝の朝礼や開店準備
9:00~12:00 ケーキの仕込み
12:00~12:30 お昼休憩
12:30~18:00 ケーキの補充をしつつ、仕込みを再開
18:00~21:00 翌日の準備、掃除、終礼
21:00~22:00 技術向上のため絞りなどの練習
※新人のみ

お店や季節により変動はありますが、だいたいこんな感じです。

毎年10月にジャパンケーキショーというコンクールがありますが、これに出場するとなると準備期間中はさらに帰る時間が遅くなります。

また入りたての1年目はほぼ雑用のみと思っていいです。

材料の計量や、作らせてもらっても簡単なゼリーなどのみとか。

お菓子屋さんのキツイところ

・朝が早く、立ち仕事なので一日中ほぼ立ちっぱ
・10kg~20kgの粉を持ったり、力仕事も日常茶飯事
・シェフや先輩は人格破綻者が多い。体育会系
・イベント時はさらに過酷(クリスマス、バレンタインなど)

パティシエ1年目が最も辛い環境になると思います。この一年目で8~9割が退職して行きますね。

私が個人店に入った時、先輩含め厨房は8人くらいいました。しかし1年半後には私が1番の先輩に。。。

出入りが激しい、典型的なブラック企業です。働き方改革が叫ばれていますが、この業界では諦めるしかありません。

お菓子屋さんは好きだけじゃ続けられないんです。強い意思と覚悟を持つ必要があります。

月によって忙しさが違う

1月~3月 忙しい。
バレンタイン、ひな祭りが忙しさマックス。
ホワイトデーはそうでもない。
4月~6月 普通。
母の日は忙しい。父の日は暇(泣
7月~10月 暇です。
11月~12月 超忙しい。

ざっくりこんな感じです。

お菓子屋さんは夏場はケーキが売れないので暇です。早いと15時とかに帰る日もありますね。

しかし寒くなると徐々に忙しくなります。ケーキは寒い季節の方が売れるので、帰る時間がどんどん遅くなります。

クリスマス前は朝5時出勤で帰るのは夜中2時とか。

もちろん立ちっぱなしです。これが数日続きます。まさに地獄。

月給約10~12万円あたりが相場

福利厚生も普通はないので、国民健康保険や年金に自分で加入する必要があります。つまり手取りはもっと低い。

また朝が早いため職場の近くに引っ越したりしますが、家賃を考えないと生活すらできません。

ボーナスは出るところが多いです。

クリスマスが忙しいので、この後にもらえますね。1年目だと、5万円くらいでしょうか。

休みは週1、有給はなし。

夏休みは結構あります。夏場暇ですからね。だいたい1週間くらいが平均的かな?

年末年始はお休みがあります。

個人店で働くメリット

技術力があがるスピードが早い

とくに有名店でないほうが、人材不足なため早い段階から色々な事をやらせてもらえる傾向が強いです。

販売員スタートじゃない店は、だいたいこの手の店です。有名店は人材豊富なので販売員スタートになりますね。

「有名店でない個人店 = お菓子屋版ベンチャー企業」

と思って頂ければと思います。

それに加えて、過酷な労働環境で技術を覚えることを強いられますので、グングン技術力が向上していきます。

お客様の反応がダイレクトに伝わる

自分が作ったケーキを喜んでもらえたり、逆にクレームが来たり。お客様との距離が近いので、どうゆう反応があるのか?ダイレクトに伝わってきます。

お金の流れがわかる

個人店はお菓子そのものが利益を生み出します。ホテルでは宿泊料などありますが、個人店はお菓子のみです。

そのため個人店にいれば、お菓子の原価料、売れる商品、経営に関して、お金の流れなどの情報を仕入れやすくなります。

個人店のデメリット

環境が過酷

最大のデメリット!これに尽きます。

労働環境が過酷で、給料も少ないし、休みもない。個人店は本当にキツいですよ。

いつもでもいられない

普通の企業と違い、40代、50代になっても雇われ社員として働くことは出来ません。

厳密には不可能ではないと思いますが、私はこの年代の人を見たことはほぼないですね。

その年なら、皆さん独立して自分の店を持っています。

【ホテルの場合】仕事内容と給与面について

もしホテルに入れたらラッキーです!散々過酷な環境といいましたが、ホテルはそうではパターンが多いのです。

ホテルは企業です。そのため、福利厚生がしっかりしてたり、人材も豊富なので労働時間も短いのが特徴です。

ただし前述したように競争率が高いです。私はものすごーくラッキーでして、なんとか潜り込めました。

給料、労働時間、休日について

私の場合ですが、以下でした。

給料 初任給16万円
福利厚生 完備
労働時間  8時間~12時間のシフト制
休日 祝日は普通に出勤。ただし週休2日制。

他には社食があり安く食事ができます。クリーニング店もホテル内にあるのを利用可能でした。

労働環境は個人店に比べてかなりいいですね。だからホテルは人気で、競争倍率が高いんです。

ホテルのメリット

労働環境の良い

ホテル就職の最大のメリットでしょう。また個人店と違い定年まで在籍できるため、ほぼ永久就職といってもいいですね。

専門知識の習得

ホテルはお金があるため、専門的な設備を完備してます。

飴細工、チョコレートなど、コンクールで出すための作品を作るのに必要な設備がバッチリ揃っていますね。

個人店でも有名店なら完備してることが多いですが、地域密着型の”地元の店”にはない場合が多いです。

専門知識と労働環境の良さを求めるなら、ホテル就職はぴったりです。

ホテルのデメリット

技術の習得が遅い。

これが代表的なデメリットです。

「ホテルの2年と、個人店の2年では技術習得の差がかなりありますが、大丈夫ですか?」

ホテル就職の際に面接でもよく質問されましたね。あるあるです。

人材豊富なホテルは、上に人が詰まっていて、中々前に進めないんですよ。そのため、3年経ってもまだ雑務的な作業しかやってない。なんてよく聞く話です。

ホテルパティシエをやるのにあたり、技術の習得がとにかく遅いのがホテルパティシエのの特徴です。

将来お菓子屋で成功したいならホテルじゃ難しい

お菓子業界には「ホテル出身者は成功しない」という格言?的なものがあります。

また「ホテル出身者は個人店では通用しない」とも言われます。

「イデミ・スギノ」の杉野シェフ、TVチャンピオンを3連覇した「ル・パティシエ・ヨコヤマ」の横山シェフなど例外はありますが、それでもホテル出身者の成功は難しいのです。

理由は業務体系にあります。

技術習得が遅く、個人店のような過酷な環境で叩き上げらた屈強な戦士ではないので、自分の店を出しても成功できない人が多い、というのがその理由です。

私自身も体験してますし、お菓子業界では常識ですね。

とはいえ、ホテルを出身者をバカにしているわけではありません。

ホテルはやはり環境がいいですし、時間はかかりますが最終的には技術もしっかり身につきます。

結局のところ個人店では体が持ちません!将来お店を出すつもりがないなら、ホテル一択でしょう。

将来独立するなら個人店、そうでなければホテル

結論これです。

独立したいなら個人店で経営や技術を学び、その後独立がオススメ!

ホテルに入りたければ、個人店→有名店→ホテルでの中途採用ルートを狙いましょう。有名店でスーシェフなど役職があればなおいいです。

お菓子屋さんは、3年~4年くらいで違う店に転職します。違う店に行って、その店の技術を習得→転職を繰り返していくのがお菓子屋さんです。

欧米では鉄板の転職ルートがあるくらいですから、これは世界共通なのでしょう。

おわりに。

パティシエはとても過酷なお仕事です。中途半端な気持ちでこの世界に入れると、すぐに退職してしまいます。

ですが、それでも私は素晴らしい職業だと思います。

お客様の感謝がダイレクトに伝わりますし、純粋にお菓子作りは楽しいです。

ツライことも多いけど、やって良かったと今でも思います。

これからパティシエになりたい方は本記事を参考に、将来のプランニングをしてみてはいかがでしょうか。

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