1年に一度、お世話になっている調律師さんから「ピアノの調律のご案内」が届くという方も多いでしょう。
しかしあまり弾いていない場合、なんだか調律代がもったいないような気がするものです。
実際、最低限のピアノの調律の頻度とはどのくらいなのでしょうか?
アップライトピアノとグランドピアノを所有している筆者が、本音のところをお伝えしたいと思います。
目次
調律の相場のお値段
YAMAHAなどの楽器店でピアノを購入した際は、楽器店専属の調律師さんが紹介されることが多いですが、まず一般的な相場を見てみます
調律代金の相場
アップライトピアノ | 8000円~1万5000円 |
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グランドピアノ | 1万円~2万円 |
おおよその目安はこのようになってくると思います。
個人で営業している調律師の方にお願いすると、もう少し価格に幅が出てきます。
筆者は音大生のころに、一度だけヨーロッパ直伝のこだわり調律をなさる方にお願いしたことがあるのですが、その時は3万円ほどだったと思います。
もちろん、楽器店よりもリーズナブルに見ていただける調律師さんもいらっしゃいますのでネットで探してみるのもいいかと思います。
調律する頻度は基本的には1年に1度
厳密には環境や使用状況によって前後しますが、基本的には1年に一度です。
ただ、状況や何年使用しているか?などで厳密には調律の頻度が変わってきます。
使用期間5年目まで半年1回ペースが目安
新品の場合や、引越し直後などは3、4か月に一度の調整が必要なこともあります。
それは、内部の部品が馴染んでいないためすぐに音程がズレてしまうからです。
このような場合「あれ、音がおかしいな?」と思ったらすぐに調律した方がいいです。
徐々に安定し始めて来ますが、2年目~5年目までは半年一回くらいのペースが目安と言えます。
5年以上など、使用期間が長くなってくると次第に部品が馴染んで来ます。
5年~20年の間が最も安定するため、調律の頻度は1年に1回で済むようになりますね。
ですが、違和感を感じたらすぐに調律した方がいいです。
なぜ調律しないと音が狂うのか
ピアノは弾いていなくても常に弦が引っ張られている状態にあります。
そのため弦がズレてきてしまい、調律しなければ段々音程が狂ってきてしまうのです。
音程を整える為に定期的にメンテナンスをする必要があるわけですね。
人間で言う健康診断がピアノの調律といったところです。
弾いていなくても調律した方がいい?
前述した通り、ピアノの弦は常に引っ張られています。
外見からはわかりませんが、内部では常にピアノに負担がかかっているのです。
もちろん、動きの機構を使ってあげることで、アクションが動きづらくなるのを防ぐためという意味があります。
ピアノは木材ですので、害虫や時にはネズミが住み着いてしまうことさえあるので、定期メンテナンスは非常に重要です。
大掛かりな修理になるケースもある
定期的に調律しなければ部品が弱り、本来の調律だけに収まらず大掛かりな修理をする必要が出てくるケースもあります。
私達人間の場合、健康診断で病気が発見されても初期症状の軽い状態であれば治りやすいですよね。
ピアノも同様に、初期症状の軽い状態でメンテナンスしてあげれば大事に至りません。
そのため、1年に一度は調律師さんにピアノの中を点検してもらい、吸湿剤を取り替えたり、害虫が入り込んでいないかなどを見てもらうのは大事なことと言えます。
つまり調律とは音を安定させる事だけでなく、他の異常がないかも調べる必要があるわけですね。
個人調律師と楽器店調律師、どちらがおすすめ?
調律師は個人でやられている方と楽器店の調律師を紹介される場合があります。
どちらがいいのでしょうか?
楽器調律師は企業の強みがある
企業の調律師ですので、部品の取り寄せや早かったりサービスが充実しています。
また、全国展開している楽器店の調律師さんにお願いするのは、情報を共有してもらえるというメリットもあります。
ただ調律師も高齢化しており、いつもお願いしている調律師さんが引退してしまう事も。
ですが、この場合でもすぐに新しい調律師さんに情報が引き継がれ調律師を探す必要がありません。
ただ、メリットが多い分代金が高めに設定されている事が多いです。
個人調律師
こちらのメリットはやはり料金が安い事にあります。
ほとんどの個人調律師は以前楽器店に勤めていて独立した方なので、楽器店より料金を安めに設定しています。
また、個人調律師さんは独特のノウハウを持っていることもあり、相性が合えばとても良くしてくれます。
融通も聞くので、色々とよくしてくれる事もあるでしょう。
ただ、個人調律師は独自の考えを持っている方もいるため、他の調律師さんにお願いしてピアノを開けてみると独特の仕事ぶりにビックリされる、ということもあります。
いずれにせよ、できれば同じ方に長く見てもらえるほうが、ピアノの変化にも気づいてくれるのがいいですね。
調律の頻度の正直なところ
筆者はサイレント機能付きのアップライトピアノと、グランドピアノを所有していますが、毎年調律するのはグランドピアノのみです。
調律師さんに、アップライトピアノの方は予算の面で苦しいので、もう少し間隔を空けたい、という相談をしました。
楽器店の調律師さんは、その家庭に合ったピアノの付き合い方を考えてくれるので、正直な相談をしても嫌な顔をされたことはありません。
ピッチが上下する程度なら実際そこまで気にならない
ピアノは木材と金属でできた精密な機械ですので、置く場所や湿度の変化でもかなり音程が変わってきてしまうものです。
全体的にピッチが上がる、下がる、という変化もありますが、実際の練習ではそれほど不具合は起きないというのも正直な感想です。
梅雨の時期は音が上ずり、爽やかな秋になるころにはまた自然に落ち着いてくる、ということもあります。
日本は四季がはっきりしており、12か月で楽器の状態も一回りするので、毎年同じころに調律をお願いするのは理にかなっていると言えるますね。
日本のピアノ調律の技術
もうひとつ、別の視点でピアノ調律についてお伝えしたいことがあります。
日本はクラシックコンサートピアニストを輩出するという点においては、なかなか世界に追い付かないところがあるのですが、調律の世界では大変優秀な人材を送り出しています。
2015年のショパン国際ピアノコンクールでは、カワイ、ヤマハ、ファツィオリの3つのメーカーで日本人調律師が活躍しました。
ピアノ調律師の方こそ、最先端のピアノ演奏の知識に触れている可能性があります。
演奏家とは違う視点でいろいろなお話を伺えるので、とても楽しいものですよ。
調律キャンペーンやっています。
通常、年数をおいた調律の場合通常料金と別途支払いが発生しますが、こちらでは年数が空いたとしても通常料金で調律をしてもらえます。
プレゼントももらえるので、おトクですよ♪
お手入れも忘れずに。
調律と一緒に、同時にピアノのお掃除も忘れずにやっておきましょう。
ピカピカのピアノで練習すると気持ちがいいものです。
またピアノを長持ちさせるのにメンテナンスとお手入れは定期に行う必要がありますので、調律とが終わったら一緒にやっておいてしまうのがオススメです!
▼参考
まとめ
ピアノの調律は長くお付き合いできる方にお願いするのが良いと思います。
価格面で折り合いがつくことや、こちらの都合も相談に乗ってくれるなど、無理のないやり取りができる方だと良いですね。
またピアノは、所有者が弾いてあげることが一番のメンテナンスにつながります。
一生ものの楽器ですので、末永く大事にしてあげたいです。
※本記事は寄稿いただいた記事です。
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