ピアノの正しい姿勢、指使いについて

ピアノ初心者の方は「正しい姿勢」「正しい座り方」「正しい指使い」について、いろいろ指導されることも多いと思います。

なぜなら、初心者時代にきちんとやらないと、あとになって困ることになるか可能性が高いからです。

正しい姿勢や指使いは始めのうちから学んでおかなければ変なクセがついてしまいます。

ここではピアノの正しい姿勢、指使いについて解説していきます。

 

正しい姿勢の3つのポイント

ポイントは以下の3つです。

◎肩、腕の力を抜く
◎背筋を伸ばす
◎指先までやわらかく

特に重要なのが「力を抜く = 脱力」ことです。

プロのピアニストは45分もの間、協奏曲を弾くわけですし、リサイタルで休み休みでも2時間半くらいひとりで演奏することもあるわけです。

とにかく脱力できないと、練習も続きませんし、発表会などの本番で苦しむことになります。

何より、長い曲を弾くことができなくなります。

 

小さなお子さんはたいへんだとは思いますが、ぜひ脱力を覚えてほしいと思います。

現在は、子どものためだけに作られた練習曲集(たとえば、トンプソン)もあるので、そのような曲集から入っていくと脱力を徐々に覚えていけるかと思います。

 

大人の方でラケットスポーツなどの、小さな球を道具で打つ経験のある方などは脱力を覚えやすいかもしれません。

 

ボールを打つ感じとピアノを弾く感じが、感覚的に似ているのです。

ボールを打つ時には実は脱力するんですね。その感覚を思い出せると、ピアノでもいい音が出やすいはずです。

正しい座り方の3つのポイント

ポイントは以下の3点

◎鍵盤の幅の中央に椅子を置いて、まっすぐ向いて弾く
◎やや浅めに腰かけて、腰に重心を置く
◎かかとからつま先まで足裏が床につく

この3点に気をつけておきましょう。

椅子の中心に座る

88鍵をカバーするには、中央にすわるのが自然ですね。

浅く腰かけて、腰に重心を置く。これがとても重要です。

 

背もたれのあるピアノ椅子もありますが、背もたれはないものと考えましょう。

そうすると、自動的に前のほうに体重がかかってきます。

 

後ろに重心がかかったままだと、脱力して鍵盤を打つことができません。

これだと早いパッセージをこなそうとしても難しいです。できるだけ猫背にならないようにしましょう。

 

足裏が床につくように

ペダルを踏むことがあるため足裏が床につくのも重要です。

ペダルはかかとを後ろにつけて、つま先で踏みます。足裏が床につかないと、うまく踏めません。

 

足裏が床につき、しかも、なるべく高い位置に椅子をセットしたようがよいと思います。

なによりも「手首が鍵盤より下がらない高さ」に決めていくことが大事です。

 

少しでも上から鍵盤を叩ければ、迫力のある音を出すことができますし、手が大きく開く和音を弾くときに、楽になります。

椅子の高さを決めるとき、スマートフォンで画像を撮って確認していくとわかりやすいです。

正しい指使い

これは、突き詰めていくと難しい問題なので、ケースバイケースということにしておきます。

指で鍵盤を叩くときの基本中の基本として「卵を握るような形で」と言われています。

脱力して鍵盤の上に置くにはそのような形は楽だと思います。

 

ただし、テレビで演奏家の方の手を見ると、卵を持つよりもう少し開いた手の方もいらっしゃいます。

脱力ができていれば、卵の形にこだわりすぎなくてよいと思います。

 

力が入っていると、速い曲するのが難しくなりますので力を抜いて自然な形で弾くのがいいと思います。

 

指番号について

いろいろな練習曲が出版されていますが、校訂者によって指使いが変わってきます。

 

「校訂者」とは、その楽曲をどのように弾いたら理想的か、作曲者のオリジナル原稿には書かれていないことを書き加える人のことです。

 

指使いだけではなく、スラーや場合によっては音符まで、変えられることがあります(もちろん、研究の結果、それなりの根拠があってのことです)

 

弾くのが大人か子どもか、どのくらいの難易度の楽曲なのか。

それによって、指使いは違ってきますので必ずしも指定された指番号に従う必要はりあません。

 

ご自分でやりやすいように指番号を変更しながら、弾きやすい指使いを見つけていきましょう!

ひとりひとりに合った弾き方を工夫できるのも、ピアノという楽器なのです。

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